大河氏は私の羊飼い

このブログはフィクションであり、実在する大河氏とその周辺人物にはいっさい関係がない。

大河氏、点字ブロックの神秘に迫る

皆さんの住む地域にも、きっと点字ブロックなるものが地面に埋め込まれているはずである。 そしてきっと、皆さんはその存在意義をご存知であるはずだ。点字ブロックの主たる設置目的は、視覚に障害のある方の安全な歩行の一助となることである。 そういった…

大河氏、春の別れをつらがる

言わずもがな、春は別れの季節である。 別れといえど、それはさまざまな分類ができる。その翌日に再会をする「別れ」もあるだろうし、その再会が1年後のもの、10年後のもの、死ぬまで再会しないもの、死ぬまで思い出さぬもの、その全てをひっくるめて世の人…

黒髪の乙女氏、『大河氏、青春万歳論を批判する』を読む

最近、大河氏さんをよくお見かけします。大河氏さんは私の一つ年上で、学部の先輩に当たります。私は人を覚えるのがあまり得意ではありませんが、前期からいくつか大河氏さんと同じ授業を履修しているので、大河氏さんの顔と名前は一致しています。 授業中の…

大河氏、青春万歳論を批判する

大河氏は甚だ憤っている。世の中が根本的に間違っているからである。あなた、正気を取り戻しなさい。 若い人らにだって、色々あるのだ。快楽ばかりを求めて生きているのではない。そんな生き方をしていたら阿呆になっちまうだろう。くだらん快楽よりも怠惰な…

大河氏の弁明

大河氏の母親は大河氏に対していつも部屋を片付けなさいという。大河氏が大河氏軽蔑社会に疲弊して帰宅するやいなや部屋を片付けなさいというので、帰宅時にはドアをそおっと静かに開け閉めしそそくさと二階の自室に立てこもる。そうでもしないと耳にタコが…

大河氏、夏休みの正攻法を考える。

大河氏は前期課程の全ての授業を終了し、事実上の夏期休暇に突入した。厳密に言えば補講と重たい課題が残っているので、まだまだ忙しい日々は続くだろう。そんなことを思って「やれやれ」と呟いたところ、向かい側に座る若者が驚いた様子でこちらを見つめて…

大河氏ら、桜の気まぐれに敗北する。

大河氏は、西田幾多郎氏の著した『善の研究』に挑んだことがある。結果として、大河氏はこの書を前にこてんぱんにやられてしまった。極めて難解な書である。この書を解読できたとき、大河氏は「我が人生に悔いなし!」と言えるのだろう。 そんな西田氏が思索…

大河氏ら、渋谷と対峙する 第3章

ナヨナヨ族の葛藤とささやかな喜びを描いた衝撃の三部作もついに最終章を迎える。ご高覧の読者諸賢に感謝を申し上げます。 最後の挑戦である。そもそもこれまで失敗を続けて来たのはタピオカ店のキラキラな雰囲気に呑み込まれてしまうからである。この課題を…

大河氏ら、渋谷と対峙する 第2章

かくあって(前項参照)タピオカを目指して渋谷を奔走する運びとなった大河氏らであるが、こういった場合はその無計画さゆえになにかと無駄な時間を費やしがちで、大河氏らもその例外ではなかった。 昼食をとったイタリアンの店を出て、道玄坂を背に地図の示す…

大河氏ら、渋谷と対峙する 第1章

渋谷とはなんとも不思議な町である。原宿や秋葉原、鶴巻温泉などと並んで若者中心の文化の拠点と言われるが、それゆえに文化の対象とならない者たちを徹底的に排除する傾向にある。 そして大河氏もまた、排除されるべき者の1人である。 大河氏は普段から学校…

大河氏、春を味わう

冬との別れを惜しみ、春に希望を抱く。街に出れば、陽の光がどことなく明るく感じる。春はとても良い季節である。こんなに良い季節であるから、花粉症を患う者が不憫でならない。彼らの心情は察するに余りある。風よ!どうか立ち荒れぬよう。 ある少納言は、…

大河氏、珍しく多忙な1日を過ごす

午前5時30分。起床。 ニット帽をかぶり寝癖を押さえつけ、歯を磨き、着替えを済ませる。荷物は前日のうちにまとめてある。 午前5時45分。母親に行ってきます、と力強く言う。玄関を出て、寒さに身をすくめる。 午前5時46分。就業先のコンビニに到着。事務所…

大河氏、もがく

どうもこんにちは。久方ぶりですな。 ブログの更新が滞ってしまって申し訳ない。当方の持病が再発してしまった。 大河氏の交感神経氏と副交感神経氏が喧嘩をしてしまっているようだ。この不仲は大河氏に舌咽神経由来の吐き気や異常な眠気、聴力の低下などを…

大河氏ら、近況を報告し合う

昨日、中学時代の旧友の3人と再会した。 再会と言えど、リラックマ会長氏は2日前に一緒に映画を見に行ったし、カグラザメ氏(19)は家が近いからしょっちゅう出くわす。 東京理化学研究大学に通うウーパールーパー氏(19)は葛飾区に住んでいるからあまり会うこ…

大河氏、精進する

親譲りの無鉄砲で小供の頃から損ばかりしている。 大河氏は最近、難題に取り掛かっている。 大河氏は、薔薇色のキャンパス・ライフを求めて、昨年4月に混声合唱団「あおい」に入団した。 大河氏は入団時点で経験者ではないが、もともと歌うことが好きである…

大河氏、春休みに入る

大河氏は昨日で後期の期末試験を全て完了した。レポート課題がひとつ残っているが、大河氏の文才をもってすれば瑣末なものだ。 長期休暇は大学生の特権である。これだけ長く自由な時間が与えられると、逆にどう使って良いのかわからず、困惑してしまいますな…

大河氏、反響を呼ぶ

余がブログを書き始めてから、はや5日が経過した。 自身が執筆に飽きるのと同じように、読者諸賢もご尊覧に嫌気が差しているに違いない。 それでも、過去の記事を読んだ知人友人から「おもしろい」「たいへん見所がある」「感動した」「興味深い」「気持ち悪…

如月氏、迎えられる

実に寒い日が続きますな。大河氏は冬が好きだが寒いのは嫌いである。この寒さに耐え凌ぐことは、四季の変化が豊かな日本に生まれた宿命であろう。 カレンダーに目をやれば、外がこんなに寒いのにも頷ける。暦は今日から2月に突入した。 今年の冬は暖冬と言わ…

大河氏、勇気を出す

今日の大河氏はぜっぷダイバーシティ東京という仰々しい名前の施設に行った。推しのイベントが目当てである。 大河氏は、推しがやがて日本アイドル界のトップに君臨することを信じて疑わない。 その過程を支えることが、自分に与えられた使命であると考える…

リラックマ会長氏、長期休業に入る

大河氏の幼稚園来の友人リラックマ会長氏(19)が本日から春休みに入ったとの報告を本人から受けた。 実にどうでもよく、ただ腹立たしい。 なぜ彼の方が大河氏より3日も早く春休みに入ることができようか。 どうか、彼が水虫を発症して春休みのうち3日間を棒に…

大河氏、眼鏡をかける

こんにちは。 今日は久しぶりに眼鏡をかけて登校した。小学校3年生の頃から高校3年生の6月ごろまでは毎日眼鏡をかけて通学していたが、大学入学後に眼鏡をかけて登校したのは余が記憶している限りでは2度目である。 なぜ今日は眼鏡をかけたのかと聞かれても…

大河氏、ブログを開設する

世界中の人々がタオルを噛みながら待ち望んだ大河氏のブログがようやく、ここに開設された模様である。 長らくお待たせしたことを平に伏して謝罪したいが、残念ながら謝罪する宛てもないことに気づいた。 予め丁重にお断りしておくが、このブログに内容を期…