大河氏は私の羊飼い

このブログはフィクションであり、実在する大河氏とその周辺人物にはいっさい関係がない。

大河氏、珍しく多忙な1日を過ごす

 

 

午前5時30分。起床。

ニット帽をかぶり寝癖を押さえつけ、歯を磨き、着替えを済ませる。荷物は前日のうちにまとめてある。

 

午前5時45分。母親に行ってきます、と力強く言う。玄関を出て、寒さに身をすくめる。

 

午前5時46分。就業先のコンビニに到着。事務所にて朝食を済ませる。ミニチョコクロワッサンの中身のチョコレートが小さくなっていることに気づく。誰にも聞こえない小さな声で文句を垂れる。

 

午前5時55分。始業。

 

午前6時53分。休憩する。今日は目覚めが悪かったからあまり作業がうまく進まない。同じシフトの主婦の方がよく働いてくれるからそれに甘えて今日は気楽にやろう、と思う。

 

午前9時05分。終業し、バイト先を出発する。そのまま最寄駅へ全力疾走する。途中で常連客と会釈を交わす。

 

午前9時12分。駅前のATMに到着。お腹が空いているたので、お金を引き出しながらミニチョコクロワッサンを食べる。6千円を引き出し、口座の残高を見て今月末を憂慮する。

 

午前9時16分。大学に向けて乗車。

 

午前10時09分。小田急多摩センター駅に到着。駅構内のパン屋さんに直行し、目についた3品を買う。学割で100円引きになり心の中で快哉を叫ぶ。生涯学生でいたいと思う。その後走り出す。

 

午前10時14分。京王多摩センター駅に到着、電車に乗る。

 

午前10時18分。南大沢駅に到着。

 

午前10時24分。大学に到着。

 

午前10時34分。混声合唱団あおいの練習が始まる。パート練習では、パートリーダーがバカンスに入ったため大河氏が代役を務めた。

 

午後0時11分。団内の会議に出席。指揮者の先輩がこれまたバカンスに入られたので大河氏が代役を務める。昼食をとりながら今後の練習内容などについて意見を交わす。議題があまりなかったから散々引き延ばすように努める。

 

午後1時02分。練習再開。昼食を挟んで知らない人がなぜか練習に参加していたが構わず練習を続ける。とても眠くなり、少々なおざりになる。

 

午後2時45分。全体での練習開始。指揮者がバカンスに入られているので当然自分が代役に入る。緊張で喉仏を吐き出しそうになる。団員に「緊張しているのか?」と聞かれても、笑い返してごまかす。組曲「そのまえ」の一曲目、二曲目を無理やり通す。通せたことに安堵する。指揮の難しさと楽しさを知ったような顔をする。また校歌の指揮を振り、壁に跳ね返される。指揮を振りながら曲の細かい部分まで感じることは難しいと感じる。先述のストレンジャーらからアドヴァイスを受け、感謝する。

 

午後4時20分。練習を終わらせる。自身の能力の不足ゆえの練習時間の延長を申し訳なく且つ恨めしく思う。学校を出て南大沢駅までの全力疾走を披露する。

 

午後4時30分。乗車。電車に揺られながら、今日の指揮者としての醜態を反省する。精進しようと思う。そして眠りにつく。

 

午後5時12分。新宿駅に到着。京王線改札からJR線改札までの全力疾走を披露する。

 

午後5時27分。来るべき全力疾走の機会に向け、電車内での着替えを開始する。コートの下に着ていたパーカーを脱ぐ。大河氏の予想とは裏腹に車内の誰の気にも留められない。

 

午後5時38分。品川駅に到着。同時に全力疾走を開始。

 

午後5時45分。目的地に到着。慌てて会場内に入ると、女神が踊っているのが見える。大河氏はその美貌と美声に酔いしれる。このまま死んでしまいたいと思う。会場の熱気を感じる。

 

午後6時00分。ライブが終わり、女神が消え去る。不意に悲しさに襲われる。会場を出て、女神とのツーショット撮影券を手に入れるためにグッズを購入する。ツーショット撮影を待つ同胞と挨拶を交わし、今日も良かったねという。ツーショット撮影を順番におこなっていく。大河氏は女神との共同作業で手でハートの形をつくる。そして女神に謝罪する。女神は「なぜ?」という。大河氏は「思い出なり。」という。興奮を抑えようと必死になる。同胞から、顔が赤らんでいることを指摘される。大河氏は「生まれつきである」と反論する。撮影が終わり、同胞と駅に向けて歩き出す。同胞が騒ぎ立てるからどうしようもない輩だな、呆れる。同胞に別れを告げる。明日のライブも楽しみだな、としみじみ思う。

 

午後7時08分。横浜方面行きの電車に乗る。当ブログの執筆を始める。

 

午後7時30分。横浜駅で降車。たい焼きを立ち食いし、また自宅方面の電車に乗る。当ブログの執筆を進める。

 

午後8時54分。推敲する。

 

午後8時57分。公開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多忙が正義であると勘違いする暇人